恋愛偏差値$完



あたしは、梓先輩の制服をひしとつかんで。



「聞きたいことがあるんです」


ふるえる声で話した。





「先輩、あたしのこと避けてません?」



単刀直入に。


自分でもストレートすぎるかなぁって思ったけれど。





制服をにぎりしめたまま顔をあげた。


キラキラの笑顔ではなく、困った梓先輩の顔。




そんなに、困った質問しちゃった?



ふだんは泣かないあたしの目のふちから熱いものを感じ、うつむいた。




「………避けてるかも。この間の騒動から、俺なんだかヘンなんだ」



「……」




「柚菜ちゃんを見ると赤くなったり、モヤモヤしたり。とくに、伸といっしょにいるところを見ると」



がしっと肩をつかまれた。




「伸と柚菜ちゃんって、付き合っているの?!」


肩をつかまれて顔をあげてしまった。




「て…泣いてるの?」


涙を見られた。

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