恋愛偏差値$完
「すっごい混んでるね。やっぱ、休日だからかな」
梓先輩……私服もすてきです!!
「あ、柚菜ちゃん花とれかかってる。貸して」
ひとごみのなかだったからかな。
あたしは梓先輩に髪飾りの花をつけなおしてもらった。
「うん。かわいいよ」
「あ、ありがとうございますっ」
好きなひとから、『かわいい』って言われるのはうれしいや。
ひとごみからやっと解放されたのに、あたしたちはまだ手をつないだまま。
「えと…」
うれしいんだけど!
あたし手汗かいてない?!とかそーいうことを思ってしまう。
「ん?行こ?」
あたしたちはけっきょく、そのまま手をつないで映画館についた。