恋愛偏差値$完
痛いですっ!
恥ずかしいですっ!
「伸先輩~」
あたしは赤い顔で伸先輩を見る。
こんなにもたくさんの視線が注がれているのに恥ずかしくないの?
「足。保健室、行かなきゃだろ」
さっき、転んだけど。
そんなに重症じゃないと思います…
生徒や親などの視線をくぐりぬけて、やっと静かな校舎に入った。
「伸先輩、あたし重いですし。歩けますしー…」
伸先輩は「んー」としか言ってくれない。
けっきょく降ろしてくれなくて、保健室。
ベッドに腰掛けるように降ろしてくれる。
「先生は…いねぇな。俺やるから」
「えぇっ?!伸先輩できるんですか?」
思わず、そんなことを口にしてしまった。
「それくらい、できるっつーの!」
怒りながらも、伸先輩の手は動いていた。
ひざにはカットバン。
足首にはシップと包帯を巻いてくれた。