恋愛偏差値$完
「ひざはただの流血で、足首は…残念。ネンザ。もう走れねぇわな」
「え゛っ?!」
あと一つの競技、二人三脚で終わるのに……
「あたしっ、でます!」
挙手をして、意気込みを告げた。
「は?むりだろ」
あっさり却下されるあたしの意見。
「あと、一種目だけですし」
「けがしてんじゃん」
「出たいんですもん」
「その足で?」
勉強はむりだから、せめて体育はがんばろうという目標。
「……ペアのヤツは?」
「え?」
「お前といっしょのペア誰だし」
あたしは足が速いからってことで、男子と組むことになった。
「クラスのオトコノコ」
「お前、男となんか?!」
驚いたように伸先輩は言って、頭をかいた。
「わかった」