恋愛偏差値$完



「ひざはただの流血で、足首は…残念。ネンザ。もう走れねぇわな」


「え゛っ?!」



あと一つの競技、二人三脚で終わるのに……

 

「あたしっ、でます!」


挙手をして、意気込みを告げた。



「は?むりだろ」


あっさり却下されるあたしの意見。



「あと、一種目だけですし」


「けがしてんじゃん」


「出たいんですもん」


「その足で?」



勉強はむりだから、せめて体育はがんばろうという目標。



「……ペアのヤツは?」


「え?」


「お前といっしょのペア誰だし」


あたしは足が速いからってことで、男子と組むことになった。


「クラスのオトコノコ」


「お前、男となんか?!」


驚いたように伸先輩は言って、頭をかいた。



「わかった」


< 78 / 371 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop