恋愛偏差値$完
パァーン!
勢いよくピストルがなった。
あたしは伸先輩に一生懸命ついて行く。
伸先輩の足は練習したよりも速くなってて、すっごくあせる。
「ッ」
足でするどい痛みを感じた。
痛くなかったはずなのに。
だんだんペースが崩れていく。
「?!」
走っている風の中で、体が浮いた。
………伸先輩があたしを片手で担いでいる。
あたしは宙にぶらさがっている。
この競技は、二人三脚で障害物リレー。
障害物の種目はあめとり。
「ぶはっ」
あめの入っているという小麦粉まみれの箱の中にあたしの顔は押しこまれる。