恋愛偏差値$完
目が合って、走ってきたから。とか……
なんのために走ってきたのかってね。
「なに見とれてンの?」
いつのまにかあたしは伸先輩の体に見とれていたらしい。
いきなりドアップがきたからびっくりした。
「なっ!なっ…見とれてません!!」
見とれてた、なんて言ったら伸先輩から弱みを握られるみたいで嫌……。
きっとまたあたしをからかって楽しむんだから。
「ふーん」
伸先輩はなにしに来たのよ。
「……先輩はなにしに来たんですか?」
なんだか気まずくなって、聞いてみてしまった。
「寂しいだろうと思って」
さっきと同じ答え。
からかっているだろうと思ってあたしはこれ以上聞かないことにした。