秘する君は、まことしやかに見紛いの恋を拒む。
傷ついたり嫌な事があったりすると食事をまともにとらなくなるのは私の昔からの悪い癖だ。
もう私をずっと守ってくれていた高人さんは側に居てくれない。
これからは1人で生きて、自分の事は自分で守っていかなければいけない。もう誰にも甘えられない。
(それに、騙されちゃ駄目)
いくら仕事の延長として秋世さんが私の事を気遣ってくれたとしても、秋世さんが私を脅している状況には何も変わりない。
──私は絶対に懐柔されない。
そう自分に言い聞かせ、私は秋世さんの言葉にコクンと頷いた。
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