マスク男の秘密
「あっ、今日新刊本の整理だった!橘くんごめん!」
そう、私と彼は図書委員なのだ。今日の昼休みに新刊本の整理があったのをすっかり忘れていた。私は慌てて彼の持っている本を半分受け取った。
「じゃ、香月、またあとで」
橘くんはずり下がった眼鏡を指で押し上げた。重ための前髪が目にかかって邪魔そうだ。息が上がっているようで、呼吸をする度に眼鏡がくもる。
彼の隣を歩いていると、彼は意外と身長が高いことがわかる。165センチと女にしては高めの身長の私の頭1個分高い。まくり上げたワイシャツの袖から血管と筋の浮き出た白い細腕がのぞいている。
「昼休み中にだいたいの作業は終わると思う。今日の放課後、僕たち図書当番だったよね」
「うん」
「2人で十分だと思う。放課後は本借りる人も少ないし」
「そうだね」
彼の言う通り、昼休みは全学年の図書委員と一緒に新刊整理をし、残りは放課後に私と彼ですることとなった。
そう、私と彼は図書委員なのだ。今日の昼休みに新刊本の整理があったのをすっかり忘れていた。私は慌てて彼の持っている本を半分受け取った。
「じゃ、香月、またあとで」
橘くんはずり下がった眼鏡を指で押し上げた。重ための前髪が目にかかって邪魔そうだ。息が上がっているようで、呼吸をする度に眼鏡がくもる。
彼の隣を歩いていると、彼は意外と身長が高いことがわかる。165センチと女にしては高めの身長の私の頭1個分高い。まくり上げたワイシャツの袖から血管と筋の浮き出た白い細腕がのぞいている。
「昼休み中にだいたいの作業は終わると思う。今日の放課後、僕たち図書当番だったよね」
「うん」
「2人で十分だと思う。放課後は本借りる人も少ないし」
「そうだね」
彼の言う通り、昼休みは全学年の図書委員と一緒に新刊整理をし、残りは放課後に私と彼ですることとなった。