マイナス余命1日 ※修正版
「あんたが絡んでくるせいで、時間がない中で頑張らなきゃいけなかったのに、どんどん無駄な事に時間とられて、間に合わなくなると思ったんだから!もし間に合ってなかったら責任とんなさいよ!」
「いいよ。どうすれば良い?」
「頂戴よ!」

止まらない。
心の奥に溜まっていた、見ないふりをしていたものをふさいでいたものが完全に壊れたのがわかった。

「どうして私ばっかり!」
「うん」
「あんたがちやほやされてる間、私がどんなに辛かったか」

こんなのただの八つ当たり。
母がシングルマザーなのも。
小学校でのぼっち生活も。
理想の女子体型からかけ離れる原因になった受験生活を過ごす羽目になったのも。
奴には全然関係のない事なのに。
奴は奴の人生を、ただ生きていただけだ。
それだけなのだ。

「どうして、あんたみたいな何でも持ってる人間が、私なんかを好きだっていうのよ」
「悪い?」
「人からかうのもいい加減にしてよ!こっちは最期の悔いなく生きようと頑張ってたのに、あんたのせいでラストの人生めちゃくちゃよ!」
「うん」
「返してよ、私の人生全部返して!」
「分かった」
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