マイナス余命1日 ※修正版
我ながら何故こんな状況で何故冷静でいられるのか。
もしも、私が世間一般的な女子だったならば

「きゃー!」

と叫んで失神して見せることくらいするのだろう。
だがしかし、私には、残念ながら心当たりがあってしまう。

「さっさと開けて」

いる。間違いなく。
変声期を終えたというのに中性的な声。
家を知らないとか、そんなレベルの話は通じない。
ボロアパートには似合わない、ただ者じゃないオーラをガンガンに醸し出しながら、100株の薔薇の鉢植えをバックに、堂々と佇んでいるこいつには。

「今度は何をした!」
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