マイナス余命1日 ※修正版
「一体、何の用?」
「僕との用事を何も言わずにドタキャンって、良い度胸だよね」
「体調がちょっと悪くなったって、電話したはずなんだけどなぁ……」

本当は電話なんかけていないのだけれど。
会社を経営しているという彼の家族は、ほとんど家にいないと聞いていた。
だから、ごまかせると思ったのに。

「いいえ、そのような電話は一度もかかってきませんでした」

(くそっ、余計な事を……)

聞き覚えのあるイケメンボイスの持ち主……確か山田という名の彼の執事だった……は、薔薇の鉢植えをせっせと並べ替えながら、私の逃げ道を瞬殺してくれた。
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