マイナス余命1日 ※修正版
「ここ共有スペースなんでそういうことはちょっと……」
私達が日々向き合うご近所付き合いは、何百坪も自分の敷地として所持している金持ちとは違う、庶民の常識で動いているのだ。
玄関前のスペースは私だけのものではない。
このアパートに住むすべての人が同様の権利を持っている。
だから、私物を置く事は、規約違反になってしまう。
私だけに苦情が来るだけなら良い。
けれども、大家に告げ口でもされたら、下手すれば強制退居。
何年もかかってようやく見つかった私達だけの城をこんなことで失うわけにはいかない。
(まあ……私は、もうすぐ出なくてはいけないのだけどね)
「ああ大丈夫です。このスペースは既に買収済みですから」
「はい!?」
「この共有スペースは全て清様のものとなりましたので、自由に使っていただいて結構です」
(違う。そこじゃない)
沈黙が流れる。
ドタキャンした理由を聞くまでは帰らねえぞ……と、奴の目が言っているのがわかる。
「はぁ……」
私は観念して、半分だけ本当の事を言った。
私達が日々向き合うご近所付き合いは、何百坪も自分の敷地として所持している金持ちとは違う、庶民の常識で動いているのだ。
玄関前のスペースは私だけのものではない。
このアパートに住むすべての人が同様の権利を持っている。
だから、私物を置く事は、規約違反になってしまう。
私だけに苦情が来るだけなら良い。
けれども、大家に告げ口でもされたら、下手すれば強制退居。
何年もかかってようやく見つかった私達だけの城をこんなことで失うわけにはいかない。
(まあ……私は、もうすぐ出なくてはいけないのだけどね)
「ああ大丈夫です。このスペースは既に買収済みですから」
「はい!?」
「この共有スペースは全て清様のものとなりましたので、自由に使っていただいて結構です」
(違う。そこじゃない)
沈黙が流れる。
ドタキャンした理由を聞くまでは帰らねえぞ……と、奴の目が言っているのがわかる。
「はぁ……」
私は観念して、半分だけ本当の事を言った。