地味男はイケメン元総長~番外編集~
 突然の第三者の登場に母親は目を丸くして驚く。

 そして俺とさくらさんを交互に見たと思ったら、何を思ったのかニヤァっと気持ち悪い笑みを浮かべた。


「あらぁ、もうさくらってば。こういう人がいるんだったらちゃんと教えてくれないと!」

 今度はこっちが驚く番だった。

「ほら、あなた達。お昼ご飯食べに行くわよ!」

 そう言って片手ずつ双子の手を取り歩き去ろうとする。


「え? お姉ちゃんは?」
「一緒に食べないの?」
「お姉ちゃんはあのお兄さんとデートするんだから邪魔しちゃだめなのよ?」

 そんな会話をしながらお母さん達は去って行く。
 口を挟む暇がなかった。


「えっと……」

 これはどうすればいいんだ?

 さくらさんは多分弟たちを紹介しようと思っていたんだろう。
 でも紹介をする前にその母親が連れ去ってしまった。
< 11 / 45 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop