地味男はイケメン元総長～番外編集～
「どうしたの？　司くん」

　小首を傾げて聞いて来る彼女に、俺は向き直った。


「……ちゃんと、俺の気持ちを伝えようと思って」

　そう言うと、さくらさんは表情を硬くする。


　俺はちゃんとした答えを出すのが少し怖かったけれど、さくらさんも聞くのを怖いと思っていたのかもしれない。

　でも、怖がらないでほしい。

　俺は、ちゃんと君の気持ちに応えたい。


「さくらさん、俺はさくらさんが好きだ。女の子として、君が好きなんだ」

　声が震えてしまって、ちょっとカッコ悪い。

　俺の気持ちを否定されることは無いって分かっているのに、それでも怖い。


　もしかしたら答えを出せないうちに、彼女が心変わりしてしまったんじゃないかと考えてしまう。


　中学の時のことがフラッシュバックする。

　だめだ。
　違う。
　あの子とさくらさんは違うんだ。


　自分に言い聞かせながらさくらさんの言葉を待った。
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