地味男はイケメン元総長~番外編集~
「……」

 さくらさんは目をまん丸にして、突然頬をつねった。

「あれ? 痛い? じゃあ夢じゃない? って事は幻聴? あはは、願い過ぎて耳までおかしくなっちゃったかな?」

「いや待った!」

 夢かどうか確認するのまではまだいいけど、更に幻聴だと思い込むとか行き過ぎだろう!


 俺は慌てて彼女の肩を掴んだ。

「夢や幻聴にされたら困るんだけど!?」

 頼むから現実を受け止めてくれ!


 すると今度は目が潤んでいくのが間近に見えた。

「……じゃあ、本当の事? あたしの事、好きって言ってくれたの? ずっと、ずっと司くんに言って欲しかった言葉が、本当に聞けたの?」

「っ!」

 その言葉に、その瞳に、胸が詰まった。


 そんなに願うほど、彼女は俺の事を思ってくれていたのか……。
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