地味男はイケメン元総長~番外編集~
 文化祭の朝。

 俺達のクラスでは特に女子が湧きたっていた。

 倉木さんが夏休み中にメイクの指導をしたため、今日は皆がメイクをしてきているからだ。


 当然、さくらさんもだったんだけど……。


 俺は、どうしていいか分からなかった。

 いつものふわふわした可愛い感じが嘘のように、シャキッとしたお姉さんに見える。

 花火大会のときもメイクはしていたけれど、ここまでじゃなかった。


 可愛さは残しつつキリッとした目が印象的で、そんな目に見つめられてふわっと笑顔を向けられたら……。

 胸の鼓動が鳴りやまなくなった。


 思わずこの皆がいる教室で「好きだ」と伝えてしまいそうなくらい、自分がおかしくなっていると思った。
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