地味男はイケメン元総長~番外編集~
 慣れているんだろう。

 でも、か弱いイメ―ジが強かったから単純にびっくりした。


「お姉ちゃん今日なんか美人ー!」
「可愛いー! カッコイイー!」

 双子は次々と自分の言いたいことを言って、さくらさんは「ありがとう」という受け答えしか出来ていなかった。

 でもそれでも嬉しそうな笑顔で双子の話を聞いている。


 大変そうだな、と思う反面。
 心の中で何か……ポッと明かりが(とも)るような温かい感覚がした。


 ……なんか、良いな……。


 面倒見が良いさくらさんが、とても魅力的に思えた。


「ちょっと、二人とも走って行っちゃだめじゃない」

 双子とさくらさんのお喋りを見ていたら、そう言って五十歳前後の女性が早歩きで近付いて来た。

 状況から察するにさくらさん達の母親だろう。
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