俺、あなたのリアコです!5
ものすごい剣幕で琴葉ちゃんの胸ぐらを掴んで怒鳴る様子は普通じゃない。それに「いじめられたくなかったら」って……。

俺はスマホの録音機能をオンにし、琴葉ちゃんと女性の間に割って入る。

「何やってるんですか!!」

女性にそう怒鳴るように言った後、琴葉ちゃんの方を向いて「大丈夫?」と優しく声をかける。琴葉ちゃんはやつれていて、顔も疲れ切っていた。目の下には隈があり、体は小刻みに震えている。

「ど、どうして……」

琴葉ちゃんの目に涙が浮かんでいた。俺は優しく琴葉ちゃんの頭を撫で、「好きな人が傷付いているのに放っておくわけないでしょ?」と微笑む。

「だから、俺が琴葉ちゃんを守る。俺の後ろにいて」

琴葉ちゃんを体の後ろに隠し、俺は目の前にいる女性を睨む。誰か知らないけど、琴葉ちゃんを傷付けたんだ。許せない!

「あなた、ルーン様でしょ?歌い手のルーン様!」

目の前の女性は、とろけた目をして俺に言った。この人、俺のリスナーだったのか?
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