俺、あなたのリアコです!5
「私……月斗さんの足を引っ張ることしか想像できません……」

何万人もの人の前で歌うのは怖い。その気持ちはよくわかる。だって、俺だってそうだったから。でもーーー。

「歌うことは好きなんでしょ?」

俺が訊ねると、琴葉ちゃんはコクリと頷く。俺はTwitterを開け、「これ見て」と俺のリスナーさんたちのコメントを見せた。

『WMCも推させてください!』

『炎上してたから気になって聴いてみたけど、英語力が凄すぎて……。あっという間に虜になりました!』

『ルーンさんたちとオリジナル曲作ってほしいです!』

『応援してます!大好きです!』

今回のことで、WMCに興味を持ってくれたリスナーさんたちが増えて、WMCを応援する人が俺のリスナーの中でさらに増えた。桜ちゃんを応援している人が何万人も集まっている。

「みんな桜ちゃんのことを応援してる。桜ちゃんを心配してる。だから、桜ちゃんやWMCのみんなの歌声でみんなを笑顔にしてあげてほしいんだ!」

俺がそう言うと、琴葉ちゃんは画面を見つめながら微笑む。そして、その瞳から涙がこぼれ落ちた。
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