お見合い相手が変態御曹司でした

「ありがとうございました。柊平さんは命の恩人ですね!」
「こちらこそ、ありがとう。あなたは靴のサイズが小さめですね」

 何故いきなり靴のサイズ? 会話が噛み合ってないような気がする。よくわからないが、とりあえず質問に答えた。

「……あっ、はい。21.5cmか22cmなんですよ。小さめを置いてるお店じゃないとサイズ自体がなくって」
「あなたの小さい足はとても可愛かった……。私の理想の足でした……」
「はい?」
「捻挫して腫れ上がってしまったから、靴を脱がせたのは私です」
「あ、ああ。ありがとうございました……」

 なんか、さっきから話の流れがおかしくないかな……?

「あの日から、あなたの足が忘れられなくて」
「はい???」

 んんんー? 柊平さんの言動がおかしくなってきたぞ。柊平さんが私に向ける視線も熱を帯びてきている。さっきからちらちらと足ばかりを見ている。
 お酒も飲んでるので確かにアルコールも入っているけど、どうしてそんなに目が充血しているんでしょうか。
 眼球の毛細血管、大丈夫?
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