お見合い相手が変態御曹司でした

6. お見合い相手が変態でした

 日比谷公園も皇居も見渡せる絶景のスイートルームで、柊平さんが私の足を撫でて、うっとりした表情をしている。
 変態だ。
 だからストレートに言った。

「柊平さんって変態ですね!」
「うん、そうなんだ。だからいくつもあったお見合いも全部断ってきた。私の天使をずっと探していた」
「天使って……頭大丈夫です?」
「楓子ちゃんは面白くて可愛いね」

 柊平さんは私になじられて悦んでいる。やっぱり変態だ。

 ストッキングを脱がされたけど、あまりにもゆっくりと下ろしていくから、肌に擦れる感覚にゾクゾクした。

 まず右足。
 ストッキングの色が黒だったから、穿いている左足との差が歴然で妙に恥ずかしい。
 足を持ち上げられて身じろぎしたけど、柊平さんはお構いなしにその足の甲に口づけた。
 
 跪いて足にキスする柊平さんの姿は、どこかの美術館に飾ってありそうなくらいに絵になる。
 ちいさな私の足。右足の小指を口に含まれて、私は思わず声をあげた。

 柔らかい唇で指を挟まれて、温かい舌でくすぐるように指の間まで舐められて、物凄く恥ずかしいのに甘美で足が震えた。

「可愛いね、楓子ちゃん。楓子ちゃんの足、美味しいよ」
「変態……っ」

 薬指、中指、人差し指と舐められていくうちに、くすぐったさが快感に変わり、体の芯が熱くなる。親指を舌で舐め上げられて思わず足を引っ込めた。柊平さんが笑いながら言った。

「……気持ちよかった?」

 私は恥ずかしいから何も答えなかった。すると柊平さんは、今度は私の左足に手を伸ばす。また脱がされるのかと思ったら、ストッキングの上から足の指にキスされてしまった。

「あ、いやっ! 汚いからっ」

 私は恥ずかしくて恥ずかしくて、足を引っ込めて柊平さんを押しのけようとしたけど、足首を掴まれて太腿も押さえられて、びくとも動かない。
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