お見合い相手が変態御曹司でした
二ヶ月後に再会した彼女は、思っていたよりも幼かった。だが、自分の仕事について楽しそうに話をしている姿は可愛かった。
彼女が、アジアンデザインが好きで、いずれはそれに関わる事務所に転職したいと言ったので、ふと思い出して、上海の豫園で買ったお守りを見せた。
彼女はそれを手にとって、とても嬉しそうに笑う。
「色合いが華やかで可愛いですね!」
「気に入ったなら楓子さんに差し上げます。開運のお守りだそうです」
「……でも、それだと木島さんの運が……」
「私は十分、幸運です。あなたに出会えましたから」
私がそう言うと、彼女は顔を真っ赤にしていた。なんて可愛いんだろう。
この人に、私を好きになってもらうことが出来るだろうか。
それとも、また「気持ち悪い」と嫌われてしまうだろうか。
別れ際に彼女の足を見つめながら「また、あなたにお会いできるのがとても嬉しいです」と言うと、彼女は笑ってくれた。やっぱり可愛い。
翌週、花を眺めて瞳をきらきらさせている彼女はとても美しかった。美味しそうにたい焼きを食べる彼女を愛おしいと思った。口の端についた餡をぺろりと舐めた彼女に欲情した。
天使のように可愛い楓子ちゃん。
私は貴女をどうしても手に入れたい。
そう思って、私は行動することを決めた。
おしまい
そして脅すのですが、楓子に返り討ちにあいました。