お見合い相手が変態御曹司でした
 んんんー?
 これは、ヤバイモードの目では?
 写真の中の私は水着だから、当然生足。
 柊平さんは明らかに、足しか見ていない。

 母が部屋を出ていったとたん、柊平さんの指が私の足に触れた。今日はワンピースに素足だったから、肌に直に触れてくる。

「可愛い」
「あの……ちょっと? 待っ……」

 ああ、雰囲気が変だなと思ったときにはもう唇を塞がれていた。

「ん……」

 軽く唇が触れあっただけなのに、私の心臓が早くなる。柊平さんは何度も唇にキスをして、それから頬と首にキスをした。その間、指はずっと私の足を撫でていた。

「あの……」
「何?」

 至近距離で見る美形は迫力があるなぁ……と思っていた。潤んでる黒い瞳が綺麗。すこし開いた口から覗く赤い舌がえっちだ。

 キスをやめてほしいと言いかけたが、本当はやめて欲しくない。何も言葉を継ぐことが出来ずにいたら、またキスされてしまった。
 さっきまでと違って深く。
 舌が侵入してきて、私を捕える。ぼんやりしてきた私は夢中で舌を絡めた。

「……ん」
「可愛い声を聞きたいんだけど、いまは我慢してね」

 柊平さんに甘く囁かれて、気持ちよくてだんだん力が入らなくなって、私はベッドにもたれた。首にキスされながらスカートの中に手が入ってきたけど、もう抵抗出来なかった。

「楓子ちゃんは可愛いね。……声、我慢できる?」
「自信ないです……」
「じゃあ、キスだけ」

 そう言って、柊平さんはキスを続けながら、胸に触れたり足を撫でたりしている。両親がいるのに。能天気な母がいつ部屋に来るかなんてわからないのに。そう思ってドキドキしていたら、ノックの音と母の声がした。
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