お見合い相手が変態御曹司でした
「すごいね、楓子ちゃん……。楓子ちゃんを気持ちよくさせるはずだったのに……」
耳元に柊平さんの甘い息がかかるから、余韻で何度もぞくぞくした。
身体を離して避妊具を捨てて、柊平さんはちょっと放心した無防備な顔で「やってしまった……」と呟きながらベッドに腰をおろした。何だか可愛い。
私は柊平さんに体をくっつけて、柊平さんの綺麗な身体のあちこちを触った。くすぐったそうに笑いながら柊平さんが言う。
「楓子ちゃんって本当にえっちな天使だね」
「……だから、天使じゃないですってば」
面白がって触っていたら、仕返しにとワンピースの上から胸を揉まれた。柊平さんは足ばっかり触って、あんまり胸には触ってくれない。物足りなかったから、気持ちよくてうれしい。
そのままベッドの上でイチャイチャしていたら、誰かが階段を上がってくる足音が聞こえてきた。パタパタ軽いから、多分母だろう。
私はここが自分の家で、両親もいることを思い出して、急に体温が下がった気がした。
恥ずかしい!!!
私はワンピースを着たままだったから、下着を布団の中に隠して、柊平さんに急いで服を着てもらう。
ノックの後、ドアの外から母の声がした。
「そろそろご飯出来るから」
「ありがとう! 下に行くね」
私は、柊平さんが服を整えたのを確認してから鍵を開けてドアをひらく。
「結婚式で使えそうな写真見つかった?」
母がニコニコしながら質問してくる。柊平さんも聖母のように微笑み返している。この人達を見ていると、人を外見だけで判断してはいけないとつくづく思う。
「いい写真がたくさんあって、迷っています」
「そう! パパがまだ印刷してないデータもあると思うから、あとで見せてもらう?」
「はい。ありがとうございます」
私達がさっきまで部屋でナニをしていたのか、気づいているのかいないのか、母はニコニコしながらまた階段を降りて行った。