ガチ恋
とうかはずんずんと俺たちに近づいてきて組んでいる腕を空手チョップの要領で引きはがした。それから真白を睨みつけてから数秒して苦虫を嚙み潰したような笑顔で真白に、
「いつも言ってるだろ、ひっつきすぎだって、少しは兄妹としての自覚をもてよ」
「別に兄妹じゃないもん」
「ああ、ほんとむかつく、真白がそういう態度ならうちも遠慮しないからな」
 そういうと、とうかは俺の腕を抱きかかえる。
「おい、とうか、まてって、」そう言って俺はりゅうやのほうに視線をうつした。この状況を説明してくれといわんばかりに。その視線に気づいたとうかは言った。
「ああ、りゅうやとはなしついたから…それに夏希は誤解してるようだけどさ、りゅうやはうちの事を好きじゃないんだよね、りゅうやにはちゃんと彼女がいるしね」
「じゃあなんで襲ってきたんだよ」
「それは誤解なんだよね、りゅうやはさ、夏希が二股してうちをもてあそんでるとおもったみたいよ」
とうかはりゅうやのほうに視線をむける。するとりゅうやが閉ざしていた口をひらいた。
< 102 / 127 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop