ガチ恋
「なんてこというのよ。私がどれだけ彼女を待ちわびて、恋焦がれてきたかわからないでしょ?」
わかるわけない。俺はソシャゲなんてほとんどしたことないし、まして課金なんてしたこともないのだから。今まで小遣いのほとんどは詩織達と遊ぶために使っていたしな。
「夏希くんは知らないの?推しは推せる時に推せって。いつだって出会いは一期一会なんだから。お願いだよぉぉぉ」
もう真白の瞳に涙が浮かんでいた。なんだか俺が意地悪しているみたいじゃないか。俺が財布を取ろうとベッドから離れようとすると、勘違いした真白が足にしがみついてきて、
「逃げないでよ」とすがりつく。
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