ガチ恋
 連れられてきた所は校舎裏だった。不良達のたまり場で俺は周囲にとうかの仲間がいないか警戒するも他の生徒の姿は見えなかった。
「夏目夏希」
フルネームで呼ばれるのは慣れてなくて、
「夏目か夏希どっちでもいいからさ、フルネームで呼ぶのはやめてくれないか」
「じゃあ、夏希」
馴れ馴れしいやつだ。けれど照れているのかとうかの耳は赤く染まっていた。
 とうかはもじもじしながら、なかなか本題を口にしようとしない。すこしたってようやく口を開いた。
「夏希ってあのオタクと付き合ってるの?」
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