ガチ恋
 ひとしきり思いのたけを叫んだ真白だったが、その後は固まったまま、案山子のように立ちすくんでいる。
 普段おとなしいだけに俺もとうかも面食らったが、それ以上に真白のほうがパニックになっているに違いない。
 このまま放置したらどうなるんだろうか。このまま立ったまま生き仏になるんじゃないだろうか。座るタイミングを逃した真白は滑稽だが、俺の事を庇うためにとうかに立ち向かっていったのだからほっとくわけにもいかない。
「ありがとう、真白。」俺はそう言って、真白の頭を撫でて席に腰を下ろすように促した。

 パンっと手を打ったとうか。
「飯が不味くなるからこの話しはやめよう」
 お前が始めたんじゃないかと突っ込みたくなる。
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