それでも、先生が好きでした。





ガラッ…


電話を切って1分も経ってないのに


「失礼します…!」


焦った声を出しながら

先生は保健室にやってきた。



保健の先生は高田先生に近づくと

何か少し話して…



開いたカーテンの隙間から

あたしにニコッと笑いかけ


保健室を出ていった。





「…なっちゃん…」


声の聞こえたほうを見れば

先生があたしを真っ直ぐ見ていて


ゆっくりと

あたしの方へ歩いてきた。





「…今、ここにいるの

なっちゃんと俺だけだから。」


「へ…?」


あたしの側まで来た先生は

隣のベットを仕切ってたカーテンを開け

隣のベットに腰かけた。


「だから、ちゃんと話してほしい」



先生は真っ直ぐにあたしの瞳を見て

そう言った。



ちゃんと…

話してほしい…??




あたしが黙ってると

先生は少し迷うような表情をしてから





「今、新井先生が言ってた。

那智さんはたぶん

ここ数日ほとんど食べてないし

寝てないと思う…って。


そうなのか?」


そう、尋ねてきた。




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