それでも、先生が好きでした。





…さすが保健の先生だ。


あたしの顔を見ただけで

睡眠不足であること

食事不足であることを

見抜いてしまうんだから。



あたしは新井先生の観察力に驚きながらも

大事なことを思い出す。



「…先に聞きたいんですけど、

あたしは…いつからここに?」


質問に答えず質問するなんて失礼だな…

と自分に罪悪感を感じながら

そう先生に尋ねると


先生は


「覚えてないの?!」


と驚いてから言った。


「3限の数学の最中に

俺が当てたあと…

急に倒れたんだ。


だから…

もう5時間くらい寝てたんだぞ?」


「5時間!!??」


先生の言葉に驚いてあわてて時計を探すと


4時を回っていた。





あたしは自分がそんなに寝ていたことが信じれず

言葉を失う。



そんなあたしを見て


「…寝不足は事実なんだな?」


先生は優しく問うて来た。






< 26 / 149 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop