それでも、先生が好きでした。
…さすが保健の先生だ。
あたしの顔を見ただけで
睡眠不足であること
食事不足であることを
見抜いてしまうんだから。
あたしは新井先生の観察力に驚きながらも
大事なことを思い出す。
「…先に聞きたいんですけど、
あたしは…いつからここに?」
質問に答えず質問するなんて失礼だな…
と自分に罪悪感を感じながら
そう先生に尋ねると
先生は
「覚えてないの?!」
と驚いてから言った。
「3限の数学の最中に
俺が当てたあと…
急に倒れたんだ。
だから…
もう5時間くらい寝てたんだぞ?」
「5時間!!??」
先生の言葉に驚いてあわてて時計を探すと
4時を回っていた。
あたしは自分がそんなに寝ていたことが信じれず
言葉を失う。
そんなあたしを見て
「…寝不足は事実なんだな?」
先生は優しく問うて来た。