それでも、先生が好きでした。





…あたし、馬鹿だ…



先生の真っ直ぐな想いに

そう感じずにはいられなかった。



この学校に入学して

初めて先生が話しをしたときの内容を

あたしはすっかり忘れてた。





先生は言った。



『勉強だけするなら

高校なんていらない。

教師だっていらない。


高校で学ぶべきことは

勉強も大事だけど


それ以上に

社会に出た時に

恥ずかしくない人間になることだ。』


って。


『まだ子供なお前らを

俺がちゃんと大人にしてやるから。


黙ってついてこいよ?』


って…。





先生は最初から

いつだって側にいてくれたんだ。


勝手に一人だと思い込んだのは

臆病なあたし自身。



…もういいんだ。



強がらなくたっていいんだ。



先生に甘えていいんだ。



それは決して

情けない事じゃない。



他人と関わる上で

信頼したからこその


感情表現にだってなるんだ…。




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