それでも、先生が好きでした。
「あたしが…ごめ、んっ
泣いて、ごめん、…!」
泣き止まなくちゃと思うのに
拓哉の優しい声に
余計に涙は溢れてく。
「…泣きすぎだから…」
制服の袖でゴシゴシとあたしの目を擦る
不器用な拓哉の優しさは
なんだかくすぐったかった。
「…拓哉?」
「ん?」
「さっきの話、お願いしてもいい?」
拓哉の腕の隙間から
目が合った拓哉にそう聞いた。
拓哉はキョトンと動きを止めたあと
「当たりまえだろ!」
そう、満面の笑みになった。
「…あ、それで
俺の部活終わるの遅いじゃん?」
それから、思い出したように言うと
「俺が終わるまで
職員室で待っててくれる?」
そう首を傾げた。
「職員室で?」
なんでまた職員室??
そう思い聞き返すと
拓哉はしれっと言葉を返した。
「高田が一緒に待ってるって」