それでも、先生が好きでした。
第3章 ━恋情と友情と━
それから午後の授業を受け
部活をやったあたしは
再び、職員室へと向かっていた。
「お、来た来た」
ソロリと扉を開けて中を覗くと
あたしに気付いた先生が手招きをする。
「失…礼し、ます…」
夜だからか
いつもより沢山の先生がいて
思わず声が小さくなった。
そんなあたしを見てなのか、先生はクスクスと笑う。
「先生多くてビビった?」
先生の側までいくと
先生は笑いながらそう聞いて来た。
「あ…えと…」
口ごもるあたしに
「まぁ、珍しいもんな」
納得するように頷く。
「…よし!
こっち来るか?」
先生は突然立ち上がると
沢山の紙や問題集を抱え
顎で奥の部屋を示した。
…何の部屋だろう?
奥に部屋があることは知っていたが
そこに入ったことはなかった。
歩み始めた先生の後を
あたしはちょこちょことついていく。