それでも、先生が好きでした。
「那智さん!」
昼放課。
あたしが食事を終えたのを見計らって
宮城さんが声をかけてきた。
「ちょっと、行ってくるね」
一緒にお昼を食べていたメンバーに一言断って
あたしは宮城さんの後に続き
教室を出た。
「ここでいっか?」
誰もいない空き教室を見つけ
あたしたちは中へ入る。
お互い椅子に腰掛けると
「…時間ないから
早速話してもいい?」
宮城さんは申し訳なさそうにあたしを見た。
「大丈夫だよ」
宮城さんに対して、やっと笑えた気がする。
自分の中で、何か答えが出たわけじゃないが
朝から時間が経って
冷静になれたのは確かだった。
「あたしさ?
つい最近まで…
神谷くんといい感じだったんだ」
「へっ?」
予想してなかった宮城さんの言葉に
あたしは思わず目を見開く。
「やっと、一緒に帰ったりするようになって
このまま、上手く行くかと思ってた
だけど少し前に
”もう一緒に帰れない”って言われて
理由聞いても
教えてくれなくて…
どうしてか知りたくて
ストーカーチックなことしちゃった」
あははっと
宮城さんは淋しげに笑う。