それでも、先生が好きでした。
第4章 ━孤独への転落━
その日の部活後。
いつものように職員室の奥の部屋で、先生と拓哉を待っていた。
「ね、先生」
パソコンに向かう、先生の背中に声をかける。
「ん―?」
それに集中しているのか
少し適当な返事。
「今日は何してるの?」
「今日もプリント作り〜」
あたしの問いにはちゃんと答えてくれるけど
その手は常にカタカタとキーボードを打っていて。
だけど
「もう、一人でも大丈夫だよ?」
あたしのその言葉に
ピタリと静止した。
「…今、なんて言った?」
あたしを振り返った先生は
慎重に、ゆっくりと、言葉を発する。
「だから、もう一人でも大丈夫だよ?」
それと同じくらいに
あたしもゆっくり喋れば
先生はピクッと眉を潜めた。
「なにがあった?」
そう言いながら近付いて来た先生に
あたしの体はビクッと反応する。