それでも、先生が好きでした。
「嫌っ!!!」
それと同時にあたしは叫んで
拓哉を押し退けていた。
よろけた拓哉は、そのまま尻餅を付きそうになったけど
その運動神経の良さ、でなんとかバランスを保つ。
「…っ、ごめん…っ」
そんな拓哉に罪悪感を感じ
謝罪とともに、あたしは拓哉に手を伸ばしたけれど
その手は荒々しく叩かれる。
拓哉…?
いつもと様子の違う拓哉に
あたしは不安になるばかり。
顔上げて、再びあたしを見つめた拓哉の顔は
苦しそうで、切なげで
「なんで…
なんで高田なんだよ!!!!」
まるで、鈍器で殴られたかのように
その言葉は
あたしの頭の中で、重く、鈍く響いた。