となりの紀田くん



「だからね……それとなく欲しいものを聞いてもらいたいんだよね……」




「サプライズにしたいわけね!!任せて!!」




「ありがとう!!」





「そうとなれば、早速行動だぁーいっ!!紀田ぁー!悠斗ぉー!」





私はルンルン気分で
走り出したーーー





「え……紀田と竹中くんは、ちょっと………」





なんていう梓の言葉は
既に遠ざかってしまった優亜には
まったく届いていなかった。




ーーーーーーーーー




「もう帰っちゃったのかな~」





教室に戻ってみたが
二人の姿は無く
鞄1つさえ置いてない…





そりゃ、そうか………




もうHR終わってから
だいぶ経ってるもんね





逆に、いたら怖いわ…………





「「ゆあ!」」





って………いたんかい!!!





声がした方へ振り向けば
紀田と悠斗が睨み合いながら
勢いよく走って来ている
ではないか………





あの二人………
実は仲が良かったりして。笑





「お前、勝手にどっか行くなよ。メス猿は大人しく俺に飼われてろ……」





目の前に現れるなり
無表情でとんでもないことを
言いやがるなこいつ。





「誰がメス猿だ!!猿じゃないっつーのっ!あとhuman女子に対してメスって表現はおかしい!!」





常日頃の文句を
今、口に出して
ぶつけてみる………





「は?どこからどうみても猿だろ?monkey=not human。つまりお前にはメスって表現が一番適してる」





イラッ




やっぱりこいつ
百発ぐらいぶん殴っとく
べきだと思わない?





ねぇ、許されるよね?





「彼女に対して酷い言いぐさだな。俺ならもっとゆあを喜ばせてやるのに」





「いえ………結構です」





「そう、照れるなよ」





「照れてません」





紀田の他にもいやがったか…
勘違い妄想野郎



悠斗って………
こんなキャラだったっけ?
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