となりの紀田くん



「よし、邪魔な柚も追い出したことだし………さっきの話の続きね!」




「冷たい姉だな、お前」




「あんたは黙ってろ」





私は紀田を睨み付ける





「おー、怖い怖い。」




全然、怖がってなさそうに
口角を上げる紀田




ほんっとにむかつく!!





でも…………





「とりあえず…この事は鈴には内緒だからね!!」




「はいはい」




適当な返事をしながらも
私の頭をポンポンと叩く





やっぱ好きだなぁ…




「何、ニヤけてんの?顔きもいよ」




「なっ!普通、彼女にきもいとか言う!?しかもニヤけてないしっ!!!」





好きだけど
めっちゃうざい!!!





「いや、事実。」





誰かこいつを黙らせて………




「もういい、紀田になんか話しかけない!!じゃあ、悠斗……明日から作戦決行ね!!」




「任せろっ!」




「は?おい、ゆあ!」




「梓くんと鈴の為に頑張ろうね!」




「だな!」





私は紀田をオール無視して
悠斗と話を続けた。




ーーーーーーーーー




そして次の日から
作戦を決行した私たち。






なのに全然聞き出せずにいる。





「おい、榎本。梓がな………「うおっと!!!」




紀田の馬鹿が
あまりにも単刀直入に
聞き出そうとしてるのを
慌てて止めに入る




(あんたは馬鹿か!?)




紀田の耳元で
鈴に聞こえないよう
小さな声で話す




(あぁ?誰に向かって馬鹿とか言ってんだよ?)




(サプライズだから言っちゃダメって言ってるでしょ!!)




(だってだりぃから……単刀直入にいった方が早いだろ?)




「ねぇ、梓くんが何?」




そんな私と紀田の
やり取りを見て
鈴が訝しげに聞いてくる




「あ、え…えっとね!!…………」




「あれだ。梓が今度、弓道の試合があるから一緒に見に行かないかって話………」




私が言い訳に
困っていると



紀田がフォローしてくれた。




今更、フォローいれるなら
最初からやってくれよ!!!




でも助けてくれた事に
ちょっと嬉しくなってしまう。

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