となりの紀田くん



「何で後ろにいんのよ!?ここは女子の敷地内だから、その線から入って来ないで」




「はいはい、メス猿さん」





とか言いつつ
私の頭をポンポン
叩くこいつは………




やはり一発
殴っとくべきなんだろうか?




「メスでも猿でもない!早く男子のとこ戻れ!」






「メスじゃない?つーことは、やっぱオスなんじゃねぇか」




はっ!!!!!
しまった!!!!!





紀田が例の如く
悪魔スマイルを
浮かべてくる




「ち、ちがっ!!今のは言葉のあやって言うか………そ、そう!!人間だからメスって表現はおかしいって意味!!」




私は必死に
言い訳を探す………




いや、実際人間なんだから
言い訳ではないか………




ってそんなことは
どうでもいいっ!!!




「はいはい、そうですかー。オス猿さん」




と私をバカにしながら
彼は男子の敷地内に
戻っていった…………




一体あいつは何しに来たんだ!?




私は遠くの紀田を
キッと睨み付けた




「はい、次の試合は内倉チームと佐々木チームね!」




「ほら、ゆあ。試合だよ?」




「え、あぁ……うん!!」




私は鈴の言葉で我に帰り
見事シュートを決めている
紀田から視線を反らして




コートの中に入ったーーー
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