となりの紀田くん



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「ふぅーっ、いい汗かいたーっ!!!」




一人で水道の前で
背伸び運動しながら言う





「お疲れ……」




いきなり隣から声がして
頭をポンポンと叩かれる




「あ、悠斗。お疲れ!」




「なぁ………ゆあ。」




「んー、何?」




水を飲もうと
蛇口を捻って
口を近づける………





「裕也と別れろ」




は?




私は水道から口を離し
悠斗の方へと顔を向ける




「ごめん………今、何て言った?」




「裕也と別れろ………そう言った」




悠斗は、いつものおちゃらけた
様子ではなく無表情のまま
顔色1つ変えず意味のわからない
ことを言うーーーーー





「何………言ってるの?」




「……言葉の通り、そのまんまの意味だけど?」




そしていきなり
私を引き寄せ




唇を重ねるーーーーー




重ねる!?!?




必死に胸板を叩いて
抵抗するけれど
まったく離れる気配がない……




「何してんの!?ゆあちゃんから離れろ!!」




梓くんが私から
悠斗を引き剥がした……

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