となりの紀田くん
よ、良かった!!!
助かった………
「竹中くん正気!?ゆあちゃんには紀田くんがいるんだよ!?」
梓くんが悠斗の
胸ぐらを掴み
凄い剣幕で
怒鳴りつける
いつも、穏やかで
冷静でシャイな
梓くんからは
想像もつかない。
「ハッ………それが何?」
悠斗は梓くんを押し退け
乾いた笑いを漏らす
「それが何って………竹中くんは一体何を企んでるの?」
梓くんは悠斗を
探るように睨み付ける
「……さあな。」
「じゃあ、あの日………なんであの場にいたの?」
え?なに?
企み とか あの日 とか
全然、話の内容が
理解できないんだけど!?
「詮索しなくても………時期にわかる………」
悠斗はそれだけ残して
姿を消したーーーーー
「ちょ、ちょっと!!梓くん!!」
いまだに悠斗が去って行った
方向を睨み付けている梓くんの
肩を思いきり揺らす
「え!?あ、ごめん!」
「ねぇ、さっきの話……企んでるとかあの日とか、一体何の話!?」
私は今一番の疑問を
梓くんにぶつけた。