となりの紀田くん
*紀田 side*
俺と要の横を
走り去っていた優亜
「あーあ………行っちゃったねぇ」
隣で要が俺の腕に
絡まりながら
不適な笑みを溢す………
「もう、いいだろ離せ!!」
俺は要を引き剥がして
既に見えなくなった
優亜の姿を追いかける
なんで………
悠斗とキスしてたんだよ……
自分でも驚くくらい
いつの間にか優亜に惹かれていた
もう…本気の恋なんて
しないと思ってたのに…
ーーーーーーーー
最初にあいつにあったのは
入学式だったーーーーーー
「あー、うぜ」
回りには人が
うじゃうじゃいて
歩くのが困難
俺はだらだらと
歩いてクラス表の
場まで向かう
目の前には女が二人
やたらうるさい奴と
やたら小さい奴が
抱き合っている
「邪魔」
俺はあからさまに
不機嫌な顔をして
冷たく放ったーーー
しかしうるさかった方の奴が
振り返るなり黙り混んで
俺を見つめる………
こいつもそこらの
女と同じか。
「聞いてんの?そこ邪魔」
俺がさっき以上に
冷たい声で睨めば
「あ、すみません」
訝しげに謝るなり
すぐさま去って行った。