となりの紀田くん



猿弄りが始まってから
1ヶ月が経った





「見て見て!りんっ」





隣のお猿さんが
親友こと榎本 鈴に
話しかけている






「ゆあ!?それ、どうしたのっ!?」





そう………
お猿こと内倉 優亜の
首にはハートの
ネックレスが着いている






「悠斗がプレゼントくれたの~!!!」





と心底嬉しそうに
デレデレする





そんなもんもらって
何が嬉しいんだかな…





「うっわ、似合わな……」





俺が横からそんな
事を呟けば





「紀田に意見なんて求めた覚えありませーん」





と俺を哀れむように見る





つーか………
こんな奴にも
彼氏って出来るんだな





顔は中の上くらいで
ちょうど鎖骨くらいまで
伸びたセミロングの黒髪





まあ、あまり可愛いとは
言えないタイプの
ごくごく普通の一般人。





「俺は思ったことを言っただけだ」





「あぁ、そうですか。べーっだ!」





と下を出して
軽くあしらう





こんな屈辱的な
態度を取られたのは
初めてだけど………





嫌じゃないと思ってしまう
俺は頭がおかしくなって
しまったのではないか……





そして、その1ヶ月後





どうやら内倉 優亜が
彼氏と別れたようだ………





他に好きな人が出来た……か。





俺にはよくわからない………
女なんてまわりには
腐るほどいるし





今までとっかえひっかえ
遊んできたから………





俺はある出来事をきっかけに
本気の恋をすることをやめた。





まあ、その話は
また次にするとして……






とりあえず隣で
ズーピー、ギャーピーうるさい
猿をなんとかしなくては






俺は突っ伏していた体を
ムクッと起こして





「うるさいし、汚い」





そう言ったーーーーー
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