となりの紀田くん
「いや、そうじゃないでしょ!?な、何でキスしたの!?」
何でって………
「特に意味はない。」
強いていうなら
ゲームのため?笑
しかしそれは
黙っておく。
「ってか、お前に拒否権ないから…ーーーーーーーうっ!?」
俺がそんな言葉を
言い切るや否や
いきなり俺のお腹を
蹴りあげて
「このーーー!勘違い妄想性悪変態男!!」
変な捨て台詞を残して
去って行ったーーーーー
「いってぇ。何気、力つえーなアイツ。」
俺はお腹を擦りながら
うずくまっている体を起こして
ニヤリと怪しげに笑う
「待ってろゆあ。ぜってぇ惚れさせてやるから………」
そして誰もいない
教室で一人小さく呟いた。
ーーーーーーーーー
そしてそれは成功した。
成功したはいいけど
「俺まであいつに惚れてちゃ、世話ねえな……」
必死に優亜を探すが
全然見つからない
気づけばもう
夜になっていた
さすがに家に帰ってるか………
そう思って内倉家へと
足を運ぶ…………
家の前まできて
インターホンを
押そうと手を伸ばすが
「紀田?」
という声に塞き止められ
俺は伸ばしていた手を
引っ込めて振り返る
そこには目が赤く腫れて
疲れきった顔をした
優亜が立っていたーーーーー