となりの紀田くん



が…しかし





「ねぇ、内倉 優亜ってあんた?」





女3人組が
私の行く手を阻む






「あ、あんたは!いつぞやか紀田に振られてた人!」






私の目の前には
あの時のギャルが
立っていて






その友達であろう
二人が私を睨みつける






「ーーーーーっ!!!」






図星をつかれたギャルは
言葉になってない言葉を
口にして





今にも殴りそうな勢いで
私を睨みつける






「黙ってれば調子乗りやがって……お前ちょっと来いよ」






「悪いけど急いでるから」





そう言って通り過ぎようと
歩き出したけれど





ガシッと





腕を掴まれてしまった………





ああ、もう急いでるのに!!
紀田にまた文句言われるじゃん!






そうは思っても
この状況、行くしかなさそう





私は大きな溜め息をついて………





ってなんかもう
引きずられてるし!!





ーーーーーーーーーー



場所は裏庭





「ちょっと!いい加減離してよ!」





いつまでも私の腕を
掴んでるギャルに
そう叫べば




私を突き飛ばすように
手を離す





その反動でよろけて
尻餅をついてしまう





「もう、もうちょっと優しく離せないわけ?」





まったく最近の若者は………←





心で悪態をつきつつ
スカートを叩いて
立ち上がる





「あんたさぁ、たいして可愛くもないくせに調子乗ってんなよ!」





可愛くなくて
悪かったわね!!





「別に、調子になんて乗ってないけど………」






「はぁ?乗ってるだろ。付き合ったってだけでもムカついてるのに、ブスなあんたが、あの紀田を振るなんて何様のつもり?」





「何様って、別に」





「だいたい、あたしが紀田を好きなこと知ってるくせに。」





振られてたくせに。





「私の想いはね……あんたのちっぽけな想いより遥かに強くて上なの。なのに紀田を弄んで……本来ならあんたが弄ばれる方なのよ!」




は?





私が紀田を弄んでる?






何言ってんだ





このギャルは?




私は思いきりギャルを
睨みつけたーーーーーーー
< 138 / 370 >

この作品をシェア

pagetop