となりの紀田くん



「中学の時の紀田はねー。もっと他人とよく関わる奴だったよー。昔っからモテる奴でさ、俺も憧れるくらいかっこよくて優しくて、みんなのヒーローみたいな感じだった……」





「へぇ………」




「でも、ある出来事をきっかけに……紀田は人を信じる事をやめて上っ面だけの人間関係をつくるようになった………いつの間にか女遊びも激しくなってたし」





うっ………



それは聞きたくなかったかも……





私はちょっと顔を
歪ませて





「そ、そっか………もういいよ。」




喋り続けようとする
羽麻くんをとめる




「そう?」





「うん、ありがとう!私、紀田の様子見に行かなきゃ!」





お礼を言って
準備室を出る




少し歩いたところで
後ろから追いかけてきた
羽麻くん……




私は驚いて
目を見開く




「ちょっと来て」




そんな私はお構いなしに
私の手を引いて歩き出す





え?



ちょw



えぇええええええっ!?




何事!?
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