となりの紀田くん
「要さんは紀田が好きなんじゃないんですか?」
「ハッ………私が裕也を?笑わせないで。あいつが私たち兄妹に何をしたか知ってる?いや、正確にはあいつの両親ね………」
え、いや……ちょっと待って!!
話が全然読めないんだけど………
「あいつの両親はね…………」
「それ以上、言うな!!!」
要さんの言葉を遮るように
私ではない他の誰かの声が
後ろから聞こえてきた
振り返るとそこには
何故か羽麻くんがいて
「しゅ、俊?」
要さんが何故か
彼の下の名前を
しかも呼び捨てに
して呟く………
ますます解らなくなってきた!!
これは一体どういうこと!?
「久しぶり……要」
「そう………。あなたも、あいつと同じ高校だったのね。」
さっきまで悪魔のような
振舞いをしていた要さんが
シュンと小さくなる……
「内倉!要!」
そしてかなりの
バットタイミングで
紀田がやって来た………
来るなって言ったのに!!!
お前は本当に
空気読めない男だな!!!
「羽麻……何でお前がここに……」
私たちに近づくなり
驚いた顔で紀田が
羽麻くんを見る
「いや、要と内倉の姿が見えたから………」
「そうか………で、要。内倉からの話って何だったんだ?」
「裕也~、ゆあちゃんったら酷いんだよ~!私の存在が邪魔だから消えてくれって言うの………」
瞳に涙を浮かべて
口から出任せを吐く
紀田がそんな言葉を
信じるわけ………
「おい、内倉。要に謝れ」
「へ?」
私は紀田の言葉に
耳を疑った……
今ーーーーーーーー
謝れって言った???