となりの紀田くん
「な、名前!名前教えて!」
「ぼ、僕の名前?」
「そう!」
「僕は6組の 楠 梓」
くすのき あずさ………か。
絶対覚えとく!!
でも6組かぁ……遠いな。
「君は?」
「私?私は3組の内倉 優亜!」
「ゆあちゃんか…。覚えとくね」
「ありがとう!!って………あぁあああああっ!!」
とっくにチャイム
鳴ってるんだった!!
やらかした!!
「じゃあ、またね。あずさくん!」
それだけ伝えて疾風の如く
走り出した。
「元気な子だな……」
梓が呟いた言葉は
優亜にはまったく
聞こえていなかった。