となりの紀田くん



「え………ごめん。今何て言った?」





「要に謝れって言ってんだよ」





やはり聞き間違いでは
ないらしい……





紀田は強く真剣な目で
私を見る





「わ、私……そんなこと言ってない!!要さん、嘘つかないで下さい」






「やだぁ、要嘘なんてついてないよー。ねえ、裕也信じて?」






今だ、瞳を潤ませて
紀田に上目使いをする
要さんには………





本当に怒りしか
でてこない。





「おい、内倉」




名前を呼ばれて
俯きかけていた顔を
上げる





「要に謝れ」






どうして紀田は
私じゃなくて
要さんを信じるの?






要さんは私をみて
ニヤリと笑う………





「おい!紀田!内倉の言ってることは……ほ……「羽麻、お前は黙ってろ」





羽麻くんが眉をつり上げて
言うものの紀田は
強制的に黙らせる






「紀田は………私より要さんを信じるの?」






「…………ああ。」






一瞬顔が曇るが
すぐに真剣な目で
私に答える





紀田はどんなことがあっても
どんな時でも私の
味方でいてくれてると
思ってた………





自惚れてたのかな……私





もういいよ………
終わりにしよう





「わかった………」




あぁ………
どうしよ。





私、今
凄く泣きそうだ






「ご、ごめ………「内倉!謝ることなんてねえ!行くぞ………」






私が溢れそうな涙を
必死に堪えて謝ろうと
口を開いた瞬間
羽麻くんが叫んで
私の手を引き





走り出したーーーーーー
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