となりの紀田くん



「あ、ゆあお帰りー。ナ○ト始まんぞ」





「ごめん柚……私、今それどころじゃないの……」





私は柚の言葉を
受け流して
自室へと向かった




その後で柚が




「ゆあが大好きなナ○ト見ないなんて………きっと明日雪が降るぞ………」






こんなことを
呟いているとも
知らずに…………




ーーーーーーーー




「ゆあー、風呂入れだってさ」





「あ、柚」




自室で物思いに
耽っていると





自室の扉が開いて
柚が入ってくる……





「ちょっと柚!ノックくらいしなさいよね」





私は柚を呆れ顔で見る





「姉貴、なんかあった?」





姉貴…………
柚が私をこうやって
呼ぶときは本気で
心配してる時だ





「何で?」




「いや、いつもなら絶対見逃さないナ○トを見なかったから…………頭でも打ったのかなって。」





我が弟よ………
心配してる理由が
それだなんて………




やはりお前は悪魔か?





「姉ちゃん、いたって正常だってばよ!!」





私は柚に向かって
Vサインを出す




「そっか………じゃあ、一緒に風呂入るぞ」





「え、いや………何の繋がりからそうなった!?ってか、一緒に入るわけないでしょ!!」





「あーあ、上手く丸め込む大作戦失敗しちゃったよ」





上手く丸め込む大作戦って………
どんなネーミングセンスだよ





「私を上手く丸め込もうだなんて、100万年早い」




ゴツンッ





「いってえな!!」





「自業自得………はぁああっ」





柚の頭を小突いて
大きな溜め息をつき
パジャマセットを片手に
自室を出たーーーーーー
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